イベント

第7回 EAA研究会「東アジアと仏教」

日時:2024年8月17日(土)14:00-17:00

開催形式:ハイブリッド(東洋文化研究所3階大会議室、Zoom

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https://u-tokyo-ac-jp.zoom.us/meeting/register/tZMlfuCtqjgoE9EYrLhWpMIQDmgTtLbUy6q3

対象:一般公開

言語:中国語、日本語

題目:江戸時代の漢文地蔵霊験説話に対する一考察:晦巌道熙『地蔵菩薩感応伝』を中心に

発表者:劉家幸、成功大学助理教授

司会・通訳:柳幹康、東洋文化研究所准教授

要旨:日本の江戸前期に成立した『地蔵菩薩感応伝』は、文体では中国宋代の常謹『地蔵菩薩像霊験記』以来の感応書式(漢文脈)を承ける一方で、内容では日本中世以来の仏伝・説話集の伝統(和文脈)を承けており、日本独自の地蔵信仰文化、および素朴な自然宗教観を示している。かかる逸話は当初「実録」として保存されたが、歴代筆者の誇張・拡張のもと程なく、意図的に虚構を描く「異聞」故事となり、宗教的教化の色彩は大幅に薄くなった。このような特殊な宗教経験は、文字を通じて具体的に表現されるのみならず、図像・造像・寺院建築の芸術創作にも反映されており、「人界/異界」の時空を超えた対話関係を形成し、今日にいたるまで日本社会で広く受容されている。