2024年12月18日、東京大学東洋文化研究所にて、史甄陶氏(国立台湾大学)をお迎えし対面の講演会「家學、經學和朱子學——以元代徽州學者胡一桂、胡炳文和陳櫟為中心」を開催した。司会は田中有紀氏(東京大学東洋文化研究所)がつとめ、海外の院生も含めて約10名の参加者を得られた。
開会ではまず田中氏は元代徽州朱子学の研究概況を紹介したうえ、史氏の著書『家學、經學和朱子學——以元代徽州學者胡一桂、胡炳文和陳櫟為中心』(華東師範大學出版社、2013年)の位置付けについて言及した。続いて史氏は、著書を踏まえながら、1990年から2010年ごろ台湾の朱子学研究や、日本・中国・英語圏における地域史研究とご自身の研究動機を紹介した。そして、「家学」の実際の運営方式、朱子学の経学化と多元的な解釈の三点から発表し、元代前期の朱子学が徽州という地域においていかに継承され発展したのかについて検討した。
質疑応答では、田中氏によるコメントから始まり、参加者からは地方書院の経営や、地域史研究者の視点との違いなど、さまざまな角度から議論が盛り上がった。
文責:黄霄龍(EAA特任研究員)
【報告】清華大学新雅書院との交流会