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2022.04.20

【報告】EAA潮田総合学芸知イニシアティヴ・キックオフイベント

2022417日、伊藤国際学術研究センター内EMPラウンジにて、EAA潮田総合学芸知イニシアティヴ・キックオフイベントが開催された。

左から潮田洋一郎氏(EAA名誉フェロー)・中島隆博氏(EAA院長)

ご来賓として、EAA2期のスタートに際し多大なるご支援をくださった潮田洋一郎氏(EAA名誉フェロー)、藤井輝夫氏(東京大学総長)、相原博昭氏(東京大学理事・東京大学副学長)、津田敦氏(執行役・東京大学副学長)、羽田正氏(東京カレッジ長)、そして潮田氏の長年のご友人でおられる佃一輝氏(一茶庵宗家、ご著書『茶と日本人——二つの茶文化とこの国のかたち』(世界文化社、2022年)を参照)とご令室、またそのご子息の佃梓央氏(一茶庵嫡承)をお迎えした。EAAからは、中島隆博氏(EAA院長)・石井剛氏(EAA副院長)ほか、田中有紀氏・柳幹康氏・塚本麿充氏(以上東洋文化研究所)、張政遠氏・王欽氏(以上総合文化研究科)、髙山花子氏(EAA特任助教)・崎濱紗奈(報告者:EAA特任助教)らが参列した。加えて、3名のEAAユースにも参加いただいた。

潮田洋一郎氏(EAA名誉フェロー)

1部では、潮田氏のEAA名誉フェロー就任式を挙行した。藤井氏・中島氏による挨拶ののち、中島氏から潮田氏へ名誉フェロー就任証書をお渡しした。潮田氏からはEAA名誉フェロー就任のご挨拶を賜った。

続く第2部では、潮田氏と中島氏によるキックオフ・ダイアローグを行った。佃一輝氏のご発言をはじめフロアからの参加もあり、あたたかい雰囲気の中ディスカッションが行われた。

ダイアローグにのぞむ潮田氏と中島氏

EAA名誉フェロー就任のご挨拶、また、中島氏とのダイアローグの中で潮田氏は、「情」を交わすことの重要性を強調された。潮田氏は茶道を例に取りつつ(氏は茶道に深い造詣をお持ちである:ご著書『数寄の真髄』(世界文化社、2021年)および『数寄語り』(角川学芸出版、2016年)を参照)、形式主義に陥ることへの警鐘を鳴らした。中島氏によれば、中国哲学における中心的主題の一つである「礼」とは本来、「情」を豊かにする装置である(例えば、中島隆博『中国哲学史』(中央公論新社、2022年)を参照)。しかし、これが逆転し形式のみが先行すると「情」を交わすという目的が置き去りにされてしまう。互いに「情」を交わし、その時々に応じて共に生の在り方を変容させていく営み(中島氏の言葉で言えば“Human Co-becoming”)の場としてEAA潮田総合学芸知が花開くことを祈念しつつ、盛会のうちにキックオフイベントは終了した。

※本イベントの挙行に際しお力添えくださった全ての方に、衷心より感謝申し上げます。 

報告者:崎濱紗奈(EAA特任助教)
写真撮影:髙山花子(EAA特任助教)・崎濱紗奈(同上)