東京大学東洋文化研究所教授でEAA院長の中島隆博氏が『残響の中国哲学——言語と政治』(増補新装版)を東京大学出版会より刊行しました。
残響の中国哲学——言語と政治 増補新装版
中島隆博 著
内容紹介
中国哲学と西洋哲学の交差から何が見えてくるか。荘子、朱子学、魯迅、ポーコック、アーレント、レヴィナス……言語と政治をめぐる古今の思考に分け入り、かき消されてきた声の響きを聞くことによって、他者たちのための哲学の可能性をひらく。中国哲学を脱構築する企て。
主要目次
序 文字の誕生——夜哭く鬼
I 言語と支配
第1章 正しい言語の暴力——『荀子』
第2章 どうすれば言語を抹消できるのか——言尽意/言不尽意論
第3章 オラリテの次元——『荘子』
第4章 言語の政治的支配は可能か——儒家・墨家・道家・法家
II 起源と伝達
第5章 文学言語としての隠喩——劉勰『文心雕龍』
第6章 他者への透明な伝達——朱子学
第7章 古文、白話そして歴史——胡適
III 他者の声
第8章 公共空間と語ること——ハンナ・アーレント
第9章 誰が他者なのか——エマニュエル・レヴィナス
第10章 速朽と老い——魯迅
IV 救済の方位
第11章 中国哲学の現在地——マイケル・ピュエットの挑戦
第12章 尹東柱はわれらの同時代人
第13章 声の乱調——中国と女性
共生のプラクシス——国家と宗教 増補新装版
荘子の哲学