東京大学東洋文化研究所教授でEAA院長の中島隆博氏が『共生のプラクシス——国家と宗教』(増補新装版)を東京大学出版会より刊行しました。
東京大学出版会ウェブサイトより一部抜粋
共生のプラクシス——国家と宗教 増補新装版
中島隆博 著
内容紹介
国家と宗教という二つの共同性を超えて、いかなる共生の思想を切り開くか。仏教、儒教からデリダ、ドゥルーズまで古今東西の議論を検討することで、他者という概念を再定義し、共同性の脱構築を試みる。中国哲学と西洋哲学から紡ぎだす思考の挑戦。
主要目次
プロローグ 他者たちへの想像力
第I部 原初的な共同性をめぐる思考
第1章 小人がもし閒居しなければ──朱熹の思想
第2章 小人たちの公共空間──明代の思想
インタールード1 他者たちを再び結びつける地平──ジャック・デリダの思
第II部 他者を再定義する仏教のラディカリズム
第3章 魂を異にするものへの態度──明末の仏教とキリスト教
第4章 強死せし者と死体の方へ──六朝期の仏教と儒教
第5章 死者を遇する〈倫理〉──仏教と生命倫理
インタールード2 他のものになることの倫理──ジル・ドゥルーズと中国
第III部 共生の思想としての儒教の方位
第6章 儒教の近代化の行方──中国の新儒家
第7章 国家のレジティマシーと儒教──現代中国の儒教復興
第8章 「批判儒教」のために──近代中国・日本における儒教復興
第IV部 市民に息づく宗教性
第9章 儒教、近代、市民的スピリチュアリティ
第10章 世紀の交の霊魂論――中江兆民、井上円了、南方熊楠
第11章 ポスト世俗化の時代における市民社会
エピローグ 共生のプラクシス
あとがき
増補新装版へのあとがき
東アジア藝文書院2021年度活動報告書
残響の中国哲学——言語と政治 増補新装版