神戸大学出版会より「マンガ/漫画/MANGA -人文学の視点から-」が刊行されました。本書にはEAAフェローの八幡さくら氏の論文が収録されています。
マンガ/漫画/MANGA -人文学の視点から-
前川修・奥村弘 編
【内容紹介】
マンガを媒介(メディエート)する知! かつてないほどに世界を覆い尽くしつつあるマンガ、越境して多様化し、拡散して多機能化しつづけるマンガ、変容するマンガを人文学の複眼的視点からアプローチする。
2019年3月2日、3日に開催された神戸大学大学院人文学研究科70周年記念事業キックオフシンポジウム「「MANGA」―人文学研究の新展開―」の成果を刊行。
【目次】
はじめに …………奥村 弘
第1章 MANGA シンポ
はじめに -マンガをメディエートすること …………前川 修
日本の「文化力」を考える …………青木 保
マンガの捉え方 …………竹宮惠子
ポップカルチャーの旅 ―「海外移転」と「ロスト・アンド・ファウンド」 …………油井清光
第2章 マンガ研究の諸相1 日本美術史の中のマンガ・アニメ
はじめに─日本美術史とマンガ・アニメ…………増記隆介
「地獄草紙」と戯画 …………苫名 悠
日本近現代における仏伝図 …………宮﨑晴子
日本漫画映画の生成を担ったもの ―政岡憲三と京都における近代絵画の観点から ………太田梨紗子
第3章 マンガ研究の諸相2 戦後日本のマンガ・アニメにおけるアジア表象
はじめに─小説とマンガ・アニメ …………梶尾文武
モリ・ミノル『大地底海』を読む ―「アジア的」なものの脱落をめぐって ……………徐 翌
なぜ孫悟空は子どもになったのか ―東映動画と手塚治虫が共作した長編アニメ『西遊記』…………秦 剛
大東亜共栄圏とサブカルチャーへの欲望 ―中上健次後期作品・『異族』『南回帰船』をめぐって …………松田 樹
第4章 マンガ研究の諸相3 マンガとしての映像/映像としてのマンガ
はじめに─マンガ、映像、触覚 …………前川 修
断片化と物質性 ―マンガとメディアをめぐって ………三輪健太朗
マンガのゴースト ―マンガの新しい生態系をめぐって …………大﨑智史
触覚性から見るマンガと映像の現在 ―画面の変容をめぐる試論 …………渡邉大輔
第5章 機能マンガの可能性 :日本とイタリアのアスベスト・マンガから考える
はじめに ─『石の綿』プロジェクトについて(少しだけ哲学的に) …………松田 毅
環境問題と社会問題について若者の意識を高めるための マンガと新しい方法 …………アスンタ・プラート
機能マンガ作画における姿勢と制約 ―実作者の視点より …………榎 朗兆
アスベストマンガにおける記憶と記録の問題 ………八幡さくら
〈出来事〉をめぐるマンガ的記述の主観性/客観性と 『石の綿』の位置 …………雑賀忠宏
機能マンガとジャーナリズム ―ノンフィクションマンガの確立に向けて …………すがやみつる
日本語教育におけるマンガの機能性 …………住田哲郎