総合文化研究科教授でEAAメンバーの國分功一郎氏が『手段からの解放:シリーズ哲学講話』を新潮社より刊行しました。
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【内容紹介】
「楽しむ」とはどういうことか?『暇と退屈の倫理学』にはじまる哲学的な問いは、『目的への抵抗』を経て、本書に至る。カントによる「快」の議論をヒントに、「嗜好=享受」の概念を検証。やがて明らかになる、人間の行為を目的と手段に従属させようとする現代社会の病理。剥奪された「享受の快」を取り戻せ。「何かのため」ばかりでは、人生を楽しめない──。見過ごされがちな問いに果敢に挑む、國分哲学の真骨頂!
【目次】
はじめに――楽しむことについての哲学的探究
第一章 享受の快─―カント、嗜好品、依存症
生存にとっての余白/楽しむとはどういうことか/嗜好品についての哲学的考察/カントのタバコ論/目的から自由である快適なもの/享受の快が手段にされる時/病的になること/目的に駆り立てられる生/依存症の問題/目的への抵抗、手段からの解放/生活の手段化 etc
第二章 手段化する現代社会
初めてのカント論/『暇と退屈の倫理学』で書き残したこと/目的に対立する嗜好品――嗜好品とは何か/快適・美・崇高・善――四つの「快」/目的からの自由――快適なもの/享受の快の消滅/問題はむしろ手段/違法薬物の問題/依存症と自己治療仮説 etc
おわりに――経験と習慣
『思想』第51期(聯經出版)