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ことばと世界が変わるとき 意味変化の哲学

総合文化研究科准教授でEAAメンバーの朝倉友海氏が『ことばと世界が変わるとき 意味変化の哲学』をトランスビューより刊行しました。

詳細はこちらをご覧ください。

言葉の意味が変わってしまうのはなぜか。
そのとき、何が起こっているのか?

そもそも、「意味」とは何なのか。
「自己」とは何か、「出来事」とは何かといった、哲学ではよく知られたさまざまな問題と交錯しながら考察する。

【目次】

はじめに

Ⅰ 意味変化という主題

1意味をめぐる問い

言葉の「意味」とは――接続詞と動詞を手がかりに
浮かび上がる「意味」――単語から文へ
意味をめぐる考察の略史
物とも心とも異なるもの

2意味は変化する

意味が変わるとはどういうことか
語の意味の変化
文の意味の変化
受け止め方や推論をめぐる意味変化
3意味が通じないとき
意味変化と誤解
述定内容の変化
異なる文脈への気づき

Ⅱ 事実へといたる意味

1意味は幻なのかという疑い

消えてなくなるもの
言葉がもたらす間違い――論理分析の効力
空性を体得する
消えずに残るもの

2確固たる意味について――存立・出来事・事実

構文的な対象性――「存立」か「実在」か
隠された出来事
出来事という存在者
たんなる意味から「事実の概念」への移行

3事実のもつ客観性

事実を知る〈私〉
異なる者の認め合い
事実と意味変化

Ⅲ 意味をもたらす自己

1行為する自己の意識

〈私〉と〈私〉以外を分けるもの
自己への気づきと身体
世界への自己の刻印
自己表現としての行為

2視野を拡げること

局所的な視野の単層性
局所的な視野の接続による拡大
広域性と「心の壁」

3視野の揺れ動き

自己を揺るがす遭遇
述語の意味が変わる
揺れ動きつつ生きる

Ⅳ 世界の意味が変わるとき

1厚みのある観点の獲得

重層性を増す経験
役割・立場をもつ
様相性を獲得する

2自己へ問いを向ける自己

理想と生きる意味
自己を変える自己
観点がともなう意志
意味を与えるもの

3自己の変様、世界の変貌

剥き出しの現実
意味が到来する
変様なのか開示なのか

おわりに
あとがき