2022年度Sセメスターに開講された学術フロンティア講義「30年後の世界へ——「共生」を問う」の書籍化、『裂け目に世界をひらく』が東京大学出版会より刊行しました。
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【内容紹介】
希望を見出すための倫理的な出発点を探る――人類社会、地球環境に様々な危機が差し迫る現代の「共生」は、「すべての存在が豊かに生きるための哲学」によって実現しうる。東京大学東アジア藝文書院が、新たなリベラルアーツの実践のために言葉と思索の力で問いかける12の連続講義。
【目次】
まえがき(石井 剛:東京大学大学院総合文化研究科・東京大学東アジア藝文書院院長)
Ⅰ わかつ
第1講 共生をめぐる小さな自伝的物語り――トラウマを生きる(青山和佳:東京大学東洋文化研究所)
第2講 先住民族との共生(張政遠:東京大学大学院総合文化研究科)
第3講 他者と共生する「私」とは誰か――レヴィナスの思想を手がかりに(藤岡俊博:東京大学大学院総合文化研究科)
第4講 仏教から見た共生――私ひとりで幸せになれるのか?(柳 幹康:東京大学東洋文化研究所)
Ⅱ わたる
第5講 自然に意義を見出す価値観を育てる――中国の自然保護活動における共生(呂植:北京大学/[訳]片岡真伊:国際日本文化研究センター)
第6講 類を違える物と共に生きる世界――中国思想から問う新しい環境倫理(田中有紀:東京大学東洋文化研究所)
第7講 共生を求めること・共生を堪えること――魯迅を手がかりとして(王 欽:東京大学大学院総合文化研究科)
Ⅲ ただす
第8講 いかにして共に生きるか――食べること、あるいは共同体のリズム(星野 太:東京大学大学院総合文化研究科)
第9講 共生と生政治(中島隆博:東京大学東洋文化研究所所長)
第10講 文学研究と「ポストクリティーク」――批判は共生のための技術になりえないのか?(村上克尚:東京大学大学院総合文化研究科)
第11講 有機体論的な隠喩をこえて、あるいはサイバネティクスのあとの哲学(ユク・ホイ:エラスムス大学ロッテルダム/[訳]伊勢康平:東京大学大学院人文社会系研究科博士課程)
終講 よりよく生きるためのスペースを想像する(石井 剛)
あとがき(中島隆博)