イベント

第23回 藝文学研究会

【日時】
2024年7月1日(月) 16:50-18:35

【開催形式】
オンライン(一部対面)/Zoom(参加ご希望の方はこちらよりご登録をお願いいたします。)
EAAメンバーのみ東京大学東洋文化研究所より参加するハイブリッド形式での開催となります。

【言語】
日本語

【報告者】
中国人民大学仏教与宗教学理論研究所 張文良(ちょう ぶんりょう)氏

【発表タイトル】
「共在」・「共成」と「関係性の思考」

【発表概要】
仏教の縁起説が体現している、「関係性の思考」は、東洋的な思惟の特徴の一つであると考えられる。この「関係性の思考」を現代的に解釈した試みとしては、中国の哲学者である趙汀陽氏の「共在」説と、日本の仏教学者の木村清孝氏の「共成」説を挙げることができる。趙氏は、西洋哲学の「存在」概念に対して、儒家と道家の思想を取り入れて、万物が「共に存在する」という「共在」説を提示し、それに基づき、斬新な政治哲学と倫理学を構築しようとした。木村氏は、主に日本の近代の「共生」説を批判しながら、「共生」と「争生」とを弁証法的に論じて、「共成」という新しいビジョンを提示した。本講では、趙氏と木村氏の学説を理論的に検討することを通して、「関係性の思考」の現代的価値について改めて考えてみたい。