二十世紀以降の中国仏教は、近代中国社会の激変に伴って、その在り方が劇的に変化した。中国仏教の伝統の連続と断裂、破滅と再生は、中国現代仏教が常に向かい合い、解決への道を探し続けなければならない問題であった。この複雑な歴史的経験を探求して総括することは、それによって現代中国仏教と伝統仏教との間の内的関連と両者の間の特徴的な差異を明らかにすることができるだけでなく、現代中国仏教が内包する独自の課題とその努力の再認識を通して、現代中国仏教の諸々の言説に再検討を行い、現代中国仏教に関する知の枠組み(体系)を再構築する道を拓くことにもなる。
そこで、今回のシンポジウムは、「現代中国仏教と国家」「現代中国仏教とナショナリズム」「現代中国仏教と世界」という三つのテーマを設けて、中国が近代国家の樹立を目指す過程で現代中国仏教が政治と宗教との関係、国家と民族のアイデンティティー及び海外との交流において、如何に対応して、伝統仏教から近代的な姿に変貌し、その再生を遂げたかという歴史的経験を明らかにしたい。
日時: 2024年7月19日(金) 10:30-17:30、20日(日) 10:00-17:10
場所: 東京大学東洋文化研究所3階大会議室
言語: 中国語と英語
主催:東京大学東アジア藝文書院(EAA)
共催:青山学院大学、フランス国立東方言語文明学院、フランス多
プログラム
2024年7月19日(金)
10:30-10:40 開会辞 馬場紀寿・柳幹康(東京大学東洋文化研究所)
10:40-12:00 第1セッション(司会:陳継東)
・10:40-11:10 湛如(北京大学)、伝印法師赴日留学的因由和成就:兼評《中国仏教与日本浄土宗》的特色
・11:10-11:40 龔雋(中山大学)、太虛的政教関係新論:以問題為中心
・11:40-12:00 総合討論
12:00-13:30 昼食
13:30-15:30 第2セッション(司会:柳幹康)
・13:30-14:00 陳継東(青山学院大学)、中国的阿弥陀仏:中国現代仏教民族主義出現的徵兆?
・14:00-14:30 王頌(北京大学)、制度儒学与応用仏学:中国文化再造的共命鳥
・14:30-15:00 融道(McGill University)、近代中国仏教的公民観
・15:00-15:30 総合討論
15:30-15:50 休憩
15:50-17:30 第3セッション(司会:王頌)
・15:50-16:20 汲喆(Institut national des langues et civilisations orientales)、政教互動的制度化:二十世紀的全国性仏教協会
・16:20-16:50 沈庭(武漢大学)、近代亜洲仏教交流、知識生産与身份認同
・16:50-17:30 総合討論
2024年7月20日(土)
10:00-12:10 第4セッション(司会:Erik Schicketanz)
・10:00-10:30 Daniela Campo (The University of Strasbourg)、Buddhist rituals in Republican China and the State: research questions and directions
・10:30-11:00 Justin Ritzinger(University of Miami)、The Meaning of Taixu Going to the West
・11:00-11:30 Fabienne Jagou(Ecole française d’Extrême-Orient/EHESS, CCJ/CECMC)、Tibetan Buddhism and China nation-building during Republican China: The State of the Art
・11:30-12:10 総合討論
12:10-13:30 昼食
13:30-15:00 第5セッション(司会:汲喆)
・13:30-14:00 邵佳徳(南京大学)、国族、仏教与無我:円瑛法師在戦時的蒙難始末与政治立場
・14:00-14:30 道悟(会稽山高等仏学研究院)、十載功過:閩南仏学院与民国僧教育反思思潮,従瑞今展開的探討
・14:30-15:00 総合討論
15:00-15:30 休憩
15:30-17:00 第6セッション(司会:陳継東)
・15:30-16:00 坂井田夕起子(愛知大学)、二戦後亜洲仏教世界与中国的仏教:以世界仏教徒聯盟為中心
・16:00-16:30 Erik Schicketanz(国学院大学)、東亜新秩序的楽土:抗戦時期的五台山
・16:30-17:00 総合討論