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学術フロンティア講義「30年後の世界へ」

第5回 学術フロンティア講義
「30年後の世界へ——ポスト2050を希望に変える」

第5講 5月10日(金)

酒井 直樹 (コーネル大学アジア研究学科/東京大学東京カレッジ)
「外人にかたりかけること——間際性(transnationality)の場面と異言語のかたりかけの政治」

近代の国際世界は、複数の領土的主権国家が併存する建前の上に成り立っています。各々の国民国家は固有の領土と国語を持ち、それぞれの人口は国境の外からやってくる人々を「外国人」として差別することを当然視します。間際性は、国境と国語による差別を乗り越え、「自国民」も「外国人」も共に「外人」として見る共同性を志向する態度と言えるでしょう。国際性とは違った、間際性による社会性の力学を考えてみましょう。