第12講 7月1日(金)
王欽(総合文化研究科、比較文学・批評理論)
「共生を求めること・共生を堪えること——魯迅を再読する」
中国近代文学の代表的な作家として知られている魯迅は、生涯を通じて他者と連帯し、生きていく道を探し続けていた。小説から雑文にかけて、魯迅のさまざまな作品においては、孤独感が漂いながら、他者との共生に対するアンビバレントな態度が明らかである。すでに置かれた社会での共生の軛を断ち、来るべき人間関係や社会関係のあり様を文学という道具で模索している魯迅の営みは、グローバルな閉塞感を如何に打開すべきかという難問に関して貴重な思想的ヒントを与えてくれる。われわれはどんな共生を想像すべきかを魯迅から考えてみたい。
第2回 藝文学研究会
公開合評会 劉争『「例外」の思想——戦後知識人・加藤周一の射程——』