イベント
学術フロンティア講義「30年後の世界へ」

第11回 学術フロンティア講義
「30年後の世界へ——「共生」を問う」

第11講 6月24日(金)

村上克尚(総合文化研究科、日本戦後文学)
「文学研究と「ポストクリティーク」――批判は共生のための技術になり得ないのか?」

私は文学研究の根底には「批判(クリティック)」の力があると考えてきた。しかし、近年「批判」は、反対ばかりで波風を立てるとか、知識を振りかざしてマウントをとろうとするといったかたちで、忌避されているように見える。この動きに呼応するように、英語圏の文学研究では、リタ・フェルスキを代表に「ポストクリティーク」が提唱されてもいる。人と人との(あるいはそれ以外の諸存在者との)共生を視野に収めたときに、これからの文学研究はテクストとどのように向き合うべきなのか、皆さんと一緒に考えてみたい。