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第9回 学術フロンティア講義
「30年後の世界へ——学問とその“悪”について」

第9講 6月11日 
鶴見太郎(総合文化研究科、歴史社会学)

「人種・民族についての悪い理論」
民族(ネーション、エスニック集団)については、19世紀以降、様々に議論され、学問においても学際的に理論化されてきた。しかし、民族紛争や民族差別と呼ばれる現象は21世紀に入ってもとどまるところを知らない。民族に関する理論は何かを間違えていたのだろうか。本授業では、今日でいう「ダイバーシティ」に通じる論点を「民族」に関する諸議論が持ってきたことを紹介したうえで、それがはらむ陥穽を指摘し、それを乗り越えるための視座について議論していきたい。