第10講 6月18日
林少陽「清末中国のある思想家の憂鬱:章炳麟の「進化」への回顧と、そして将来への展望」
1911年に起きた中国の辛亥革命は帝政を終わらせた革命として知られているが、十年以上も続いたこの革命の海外基地は東京であった。この革命の理論家として、そして清末の碩学として章炳麟(章太炎、1869-1936)がいる。仏教と老荘思想を主に構築された彼の思想は当時の世界の知識人の思想の主流でもある進化論と対峙し、ユニークな議論を展開させた。進化の善と悪の不可分であり相互促進的である両面を取り上げた彼の憂鬱なまなざしは現在のわれわれの現実に迫り、将来への我々の想像を刺激するものでもある。
第19回 石牟礼道子を読む会
EAAセミナー「伊波普猷における政治と宗教 ——その可能性と限界」