EAAトークシリーズ ダイキン東大ラボ後援
アートを通じて空気をする(Doing Air through Arts)
第2回「空気は生きているのか?」
本トークシリーズでは、現代アートから見える物理的な空気、あるいは雰囲気としての空気をテーマにして、日頃気にかけることのない空気の世界について考えてみたいと思います。毎度アーティスト、美術批評家、キュレーター等の方々を2名ずつお招きして、制作過程における空気、制作過程において遭遇した空気、あるいは「空気をする(doing air)」体験についてお話し頂きます。シリーズ全体を通じて、あまり意識されることのない空気を取り巻く多様なつながりや影響関係等を現代アートとともに追体験し、空気がいかに人々や動植物等の「協存」「協同」を促進しているかについて議論してみたいと思います。
第2回は「空気は生きているのか?」です。
バイオアート分野でご活躍されているアーティストのAKI INOMATAさんと岩崎秀雄さんをお招きします。
本セッションでは、INOMATAさんと岩崎さんからそれぞれご自身の作品についてお話し頂き、バイオアートの世界を相対的に俯瞰することからはじめたいと思います。お二人には、互いに相手の作品に対してコメントや解説を加えて頂きます。お二人の作品が題材としているのは、空、雲、シアノバクテリア、記憶などです。セッション後半では、INOMATAさんと岩崎さんによるディスカッションを通じて、本セッションが投げかける問いについて考えてみたいと思います—空気は生きているのか?
【日時】
2023年11月6日(月)19:00–20:30
【ゲストスピーカー】
AKI INOMATA
2008年東京藝術大学大学院先端芸術表現専攻修了。人間以外の生きものや自然との関わりから生まれるもの、あるいはその関係性を提示している。タコとアンモナイトを進化の時を超えて出会わせる「進化への考察 #1」、世界各地の都市から都市へと移り住むようにヤドカリが透明な殻を引っ越し続ける「やどかりに『やど』をわたしてみる」、真珠貝に小さな立体を挿核し貨幣の肖像となった人物をモチーフに真珠をつくる「貨幣の記憶」、飼い犬と作家とが毛と髪を交換して身に纏う「犬の毛を私がまとい、私の髪を犬がまとう」など、生きものと共に制作した作品を多く発表。
岩崎秀雄
科学および芸術の一筋縄ではいかない界面・関係性に興味を持ち、生命をめぐる科学・思想・芸術に関わる表現・研究のプラットフォームmetaPhorestを2007年より主宰。「生命美学」のコンセプトを掲げ、国内外で作品制作・研究発表を展開している。早稲田大学理工学術院教授。主著に『<生命>とは何だろうか:表現する生物学、思考する芸術』(講談社、2013年)。シアノバクテリアを用いた時空間パターン形成の研究で文部科学大臣表彰若手科学者賞、時間生物学会奨励賞、ゲノム微生物学会奨励賞、“Culturing <Paper>cut”で文化庁メディア芸術祭優秀賞など。
【開催概要】
一般公開
参加無料
会場&オンラインのハイブリッド開催
要事前登録
【会場】
八重洲ミッドタウン4階 東京大学八重洲アカデミックコモンズ
(オンラインはZoom開催)
【参加登録】
会場&オンラインのいずれもこちらで事前登録をお願いします
登録頂いたメールアドレスに、会場案内あるいはオンラインアクセス案内を送付いたします
【定員】
会場参加の定員は40名です
会場参加登録は先着順とし、定員に達し次第、受付を終了させて頂きます
【言語】
日本語
【トークシリーズ全体の論点】
物理的な空気、あるいは雰囲気としての空気を認識する行為は、往々にして何らかの出来事を伴っている。そのような出来事の積み重ねが人々にとっての空気の世界をつくり上げているとすれば、それらは行為主体である生身の人間や共同体の中に織り込まれている。誰かの空気は誰しもの空気ではない。それらはむしろ、相対的な世界である。
現代アートは、私たちの知らない空気、まだ見ぬ空気を可視化しているであろうか?個々の、あるいは共同体の経験に織り込まれた空気の世界を表現しているであろうか?それらが内包する人間以外の存在を含んだ他者性は、現代アートを通じていかに前景化されているであろうか?
詰まるところ、現代アートは、空気を取り巻く意識上隠されたつながりや影響関係を浮かび上がらせているであろうか?そして、空気はいかに人々や動植物等の「協存」「協同」を促進しているであろうか?
【後援】
ダイキン東大ラボ
【担当】
野澤俊太郎(EAA)