EAAトークシリーズ ダイキン東大ラボ後援
空気のデザイン—共に変容する(Designing Air—Through Changing Together)
第6回「Mercariのエスノグラフィー」
本トークシリーズでは、様々な業界・分野の実務者および研究者と一緒になって、サステナブルな未来の空気をデザインすることによってもたらされる社会並びに人間の心身の変容について考えてみたいと思います。毎度企業および大学を含む研究機関等よりゲスト・スピーカーを1名ずつお招きして、サステナブルな未来社会の空気、並びにその実現に資する商品やサービス等を巡る最新のトピックや課題等についてお話を伺います。人間が何かと共に変容していくことを促すものとしての商品やサービス、ひいては環境や空気のデザインについて理解を深め、その方法論、思想、哲学を紡ぎ出していきたいと思います。
第6回は「Mercariのエスノグラフィー」です。
株式会社メルカリの研究開発組織mercari R4Dの多湖真琴さんと井上眞梨さん、並びに文化人類者であり、文化人類学の知見を基にビジネスを展開されている国際大学兼株式会社アイデアファンドの大川内直子さんをお招きします。
本セッションでは、まず多湖さんと井上さんより、サーキュラーエコノミーの実現に向けてmercari R4Dが進めている調査研究の一部をご紹介頂くとともに、目下mercari R4Dが注力している人文・社会科学系研究の意義や役割等についてお話を頂きます。
続いて、大川内さんより、ご自身の研究並びに「アイデアで資本主義を面白く」をコーポレートミッションとして掲げているアイデアファンドでの取り組みをご共有頂きながら、多湖さんと井上さんのご講演に対する応答的なプレゼンテーションを頂きます。
最後に、多湖さん、井上さん、大川内さんによる民族誌的(エスノグラフィック)なご対談を通じて、サーキュラーエコノミーの実現を可能にする社会システムのデザインや価値観・倫理観を含む空気感等について考えてみたいと思います。
【日時】
2024年12月6日(金)18:00–19:45
【ゲストスピーカー】
多湖真琴
株式会社メルカリmercari R4D Director。弁理士。京都大学卒業後、開発職として富士通株式会社に勤務。弁理士資格を取得後、TMI総合法律事務所にて権利化から係争まで幅広い知財業務を担当。2018年メルカリに入社後、知財チームの初期メンバーとして知財活動立ち上げに従事。2019年よりR4Dを兼務しR4Dのガバナンス強化に尽力。2023年より現職。
井上眞梨
株式会社メルカリmercari R4D Manager。慶應義塾大学大学院理工学研究科前期博士課程(修士)修了。国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)にて、IT分野の動向俯瞰や戦略提言、研究開発プロジェクトの支援等に従事。2021年10月に入社後、大阪大学ELSIセンターとの共同研究の推進や、社会人博士支援制度の整備、メルカリデータ提供などの活動に尽力。
大川内直子
東京大学教養学部卒業。東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。専門は文化人類学、科学技術社会論。みずほ銀行での勤務を経て、2018年に人類の多様性と資本主義の相互作用について研究することを目的の1つとした株式会社アイデアファンドを設立。代表取締役社長に就任。文化人類学の調査手法を活かした企業向けのマーケットリサーチやコンサルティング業務等を展開。2019年より国際大学グローバル・コミュニケーション・センター主任研究員併任。著書に『アイデア資本主義─文化人類学者が読み解く資本主義のフロンティア』(実業之日本社、2021年)がある。
【開催概要】
一般公開
参加無料
会場&オンラインのハイブリッド開催
要事前登録
【会場】
東京ミッドタウン八重洲4階 東京大学八重洲アカデミックコモンズ
(オンラインはZoom開催)
【参加登録】
会場&オンラインのいずれもこちらで事前登録をお願いします
ご登録頂いたメールアドレスに会場案内あるいはオンラインアクセス案内を送付いたします
【定員】
会場参加の定員は40名です
会場参加登録は先着順とし、定員に達し次第、受付を終了させて頂きます
【言語】
日本語
【トークシリーズ全体の論点】
サステナブルな社会を実現するための様々な試みは、自ずと空気に係る地球的課題へのチャレンジを伴います。カーボンニュートラル達成という必須課題は無論のこと、人々を劣悪な空気環境から解放し、人々の健康やウェルビーイングを増進していくことが全人類にとって喫緊の課題になっています。
このような(実のところ)人間の生存にとってよき空気の追求は、究極的に人間に何をもたらし、あるいは何を要求するのでしょうか?私たち人間は、サステナブルな社会の空気を生み出し、維持していくためにデザインされる新たな社会システムの一部に「なっていく」ことが求められているのでしょう。それは、人間自身の心身の変容とともに、環境の改変を伴う行為、すなわち何かをデザインし、環境との応答を通じてそれらがかたちになっていくような行為を巡る新たな倫理観を要求します。
モノ、コト、サービスのデザインを通じて、いかにサステナブルな社会や新しい倫理(観)を拓くことができるのでしょうか?地球環境に圧倒的なインパクトを持つ企業活動は、いかにそれを実行することができるのでしょうか?そして、サステナブルな社会の空気をデザインすることは、私たち自身が、人間以外を含む誰かと共に、いかに変容していくことを要求するのでしょうか?
【後援】
ダイキン東大ラボ
【担当】
野澤俊太郎(EAA)