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太田光海氏 講演会
「変容する森と、創発としての真実 —現代高地アマゾン熱帯雨林における身体知と絡まり合う自己—」

太田光海 講演会
変容する森と、創発としての真実
—現代高地アマゾン熱帯雨林における身体知と絡まり合う自己—

コメンテーター:橋爪太作(早稲田大学)
司会:髙山花子(東京大学) 

日時:2022年10月23日(日)15:00-17:00
会場:東京大学駒場キャンパスI KOMCEE East K011
要事前参加登録:
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https://forms.gle/2jRk5eQGnrAQLupM9

本講演では、エクアドル・ペルー両国にまたがる高地アマゾン熱帯雨林地域に居住するヒバロ語族、シュアールとワンピスの人々との民族誌的フィールドワーク経験を基に、急激な変容を被る現代の熱帯雨林においてパラレルかつ創発的に紡がれる彼らの生活世界と、揺らぎや縺れを伴いつつそこに発生する「真実性」について考察する。具体的には、飲食や治癒、家屋の建立など日々の実践における微生物や動植物との間主観的関係性を観察しながら、既製品の流入や貨幣経済の浸透などによる物質文化および社会的関係性(ソーシャビリティ)の変容を具体的に検証し、それでもなお折衝の末に立ち現れ、能動的に形成されるシュアール・ワンピスの主体、そしてその具現化の一つの様態としての「ヴィジョン」の特権的役割について論じる。本講演は、2020年にマンチェスター大学社会人類学部によって受理された発表者の博士論文をベースとし、多自然主義や「人間的なるものを超えた人類学」など、昨今の人類学における世界的潮流を網羅的に吸収しながらも、感覚民族誌やマテリアリティといった理論的支柱を付け加えることで、現代のアマゾン熱帯雨林における先住民世界への新たな視座を生み出すことを目指す。

 

太田光海(おおたあきみ)
1989年東京都生まれ。映像作家・文化人類学者。神戸大学国際文化学部、パリ社会科学高等研究院(EHESS)人類学修士課程を経て、マンチェスター大学グラナダ映像人類学センターにて博士号を取得した。パリ時代はモロッコやパリ郊外で人類学的調査を行いながら、共同通信パリ支局でカメラマン兼記者として活動した。この時期、映画の聖地シネマテーク・フランセーズに通いつめ、シャワーのように映像を浴びる。マンチェスター大学では文化人類学とドキュメンタリー映画を掛け合わせた先端手法を学び、アマゾン熱帯雨林での1年間の調査と滞在撮影を経て、初監督作品となる『カナルタ 螺旋状の夢』を発表。また、2021年には写真と映像インスタレーションを用いた個展「Wakan / Soul Is Film」(The 5th Floor)を開催し、さらに熱海で行われた芸術祭「ATAMI ART GRANT」に参加するなど、映画に留まらない領域で表現活動を行う。
Instagram: www.instagram.com/akimiota/
Twitter: http://twitter.com/akimiota

 

橋爪太作(はしづめだいさく)
1986年鹿児島県生まれ。文化人類学者・社会学者。東京大学教養学部を経て、東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学科(相関社会科学専攻)にて博士号を取得。2011年、原発事故とエデュアルド・ヴィヴェイロス=デ=カストロの著作との出会いを契機として、社会学から人類学へと転向し、メラネシア・ソロモン諸島にて長期フィールドワークを行う。2020年より早稲田大学人間科学学術院助手。関心領域は自然、イメージ、アナキズム、科学技術、ポスト構築主義など。主な論文に「社会を持たない人々のなかで社会科学をする : マリリン・ストラザーン『部分的つながり』をめぐって 」(『相関社会科学』26号)「起源の闇と不穏な未来のあいだ:現代ソロモン諸島マライタ島西ファタレカにおける社会変容の深層」(『文化人類学』87巻1号)。近年では、博士論文の主題を現地で撮った断片的映像から再構築するなど、言語的なものを超えた民族誌に向けた新たな試みを行う。
Website: sites.google.com/view/hashizume-daisaku/home
Research map: researchmap.jp/hashizume_daisaku
Twitter: twitter.com/diskhszm

 

髙山花子(たかやまはなこ)
1987年北海道生まれ。東京大学東アジア藝文書院(EAA)特任助教。専門はフランス思想。博士(学術)。著書に『鳥の歌、テクストの森』(春秋社、2022年)、『モーリス・ブランショ—レシの思想』(水声社、2021年)がある。過去の出来事をどのように記録し語り継ぐことができるのか、という問いから、ドキュメンタリーや映像人類学に関心を持っており、2020年12月に箭内匡『イメージの人類学』(せりか書房、2018年)についてEAAレビューコーナーに寄稿している。
Website: https://sites.google.com/site/takayamahanako/

 

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主催:東京大学東アジア藝文書院(EAA)