イベント

第8回EAA研究会「東アジアと仏教」

【タイトル】「林羅山と医学知識:『本草綱目』を手がかりに」

【日時】2025年3月21日(金)13:00~14:30

【開催方式】ハイブリッド。会場は東洋文化研究所3階第一会議室。オンラインはZoom、以下のリンクからお入りください。
https://u-tokyo-ac-jp.zoom.us/j/85938669579?pwd=7gQAMVuexWYa78XmVumToYeegSKSHD.1

【言語】日本語

【概要】
 林羅山は近世初期の幕府儒官として知られているが、実は医学にも深い関心を寄せていた。彼は多くの医者と交流し、医学書を広く読んだだけでなく、医者に向けて医学書に関する知識を伝授し、医学書の注釈書も執筆している。しかし、これまでの研究では、彼の医学に対する関心や活動はあまり注目されてこなかった。
 林羅山が読んだ多くの医学書の中でも、とりわけ『本草綱目』との関係は深い。彼は『本草綱目』序文の注釈として『本草綱目序例』を執筆し、さらに『本草綱目』を抜粋して本草辞書『多識編』を編纂している。また、『徒然草』注釈書である『野槌』や、仮名草子『怪談全書』などにも、『本草綱目』の医学知識を取り入れた痕跡が見られる。
 本報告では、医学知識が秘伝伝承から一般の人々へと広まっていく背景を踏まえ、講釈などを通じて知識の普及を目指した林羅山の活動に注目する。そして、彼の医学への関心や関わりを考察し、『本草綱目』を具体例として、林羅山がいかに医学知識を学び、活用したのかを明らかにしてみたい。

【報告者】伊丹(中国人民大学)

【司会】柳 幹康 (東京大学東洋文化研究所)