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東アジア仏典講読会特別講演

東アジア仏典講読会特別講演

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【日時】
2024年6月22日(土) 14:00-17:00

【開催形式】
ハイブリッド 東洋文化研究所3階第一会議室

【参加申込】
こちらのGoogleフォームより事前参加登録をお願いいたします。(6月21日(金)17:00締切)
https://u-tokyo-ac-jp.zoom.us/meeting/register/tZAoceurrTMpH9d5W6nr2hscngB4aG-wt_K3

【言語】
中国語・日本語

【講師】
香港教育大学 商海鋒(しょう かいほう)氏

【司会・通訳】
東京大学 柳幹康

【タイトル】
圓覺經・圓覺洞・圓覺寺:中古東亜的圓覺信仰及其藝文典範
(円覚経・円覚洞・円覚寺:中古東アジアの円覚信仰とその芸文典範)

【概要】
圓覺,即圓滿的覺悟。作為「佛教四書」之一,《圓覺經》透過文殊等十二位菩薩與佛陀的問答,主張一切眾生具足圓覺本心。中唐,它同時獲得華嚴、禪宗的尊奉。北宋禪師雪竇、居士楊傑將圓覺思想與明月意象結合,寫作並繪製明月送僧詩、牧牛明月圖。南宋孝宗御註《圓覺經》,在杭州徑山寺修築圓覺閣,將圓覺思想打造為國家信仰。帝國西部邊陲相繼湧現數個圓覺石窟寺,包括安岳圓覺洞、大足圓覺道場。隨後,東亞海域三國亦相繼建造屬於自己的圓覺聖殿,包括鐮倉時代執権北條時宗的鐮倉圓覺禪寺,朝鮮王朝世祖的漢城圓覺禪寺,及琉球王國尚真王的首里圓覺禪寺。11-15世紀,圓覺思想與信仰滋養而來一系列藝文典範,成為支撐起宋型文化圈的精神支柱。

円覚は円満な覚悟(さとり)の意である。『円覚経』は「仏教四書」のひとつであり、文殊ら十二名の菩薩と仏陀の問答を通じて、一切衆生に円覚の本心が具わると主張している。この経典は中唐になると華厳宗・禅宗で尊ばれ、北宋には禅僧の雪竇や居士の楊傑らが円覚を明月のイメージと結び付け、明月送僧詩や牧牛明月図が作成された。南宋の孝宗は自ら『円覚経』に注釈を施し、杭州の径山寺では円覚閣が建築され、その円覚の思想は国家的な信仰となった。また帝国の西部では安岳円覚洞・大足円覚道場など複数の円覚石窟寺が出現する。のち東アジア海域の三国でも鎌倉時代の執権北条時宗による鎌倉円覚禅寺、朝鮮王朝世祖による漢城円覚禅寺、琉球王国尚真王による首里円覚禅寺などが建立された。かくして11-15世紀に『円覚経』の思想・信仰は芸文の典範を形成し、宋型文化圏の精神的支柱となったのである。