【日時】2019年12月1日(日)14:00-17:00
【場所】東京大学駒場キャンパス18号館ホール
【言語】英語、仏語、日本語(通訳なし)
ブルガリアのアーティスト・コレクティヴである「メテオール」の舞台作品《土方巽とその分身》(Hijikata and his Double, 2019)の紹介を通じて、日本発の舞踊形式である舞踏(Butoh)の世界的な伝播、およびその背後にある1968年前後の文化状況を問いなおす機会としたい。
当イベントでは、2019年9月20日にブルガリアで初演された《土方巽とその分身》の映像による紹介、ドラマトゥルクであるボヤン・マンチェフ(新ブルガリア大学)のレクチャー・パフォーマンス、アニ・ヴァセヴァ(演出)、レオニード・ヨフチェフ(出演)、さらに彼らと交流のある小林康夫(青山学院大学)、國分功一郎(東京工業大学)、星野太(金沢美術工芸大学)らによるラウンドテーブルを通じて、東アジアと東ヨーロッパをむすぶ思想・芸術・文化の交錯について多角的な考察を行なう。
タイムテーブル(現時点での予定のため、変更の可能性がある)
14:00-14:15 趣旨説明|星野太(金沢美術工芸大学) *日本語
14:15-14:30 プロジェクト紹介|アニ・ヴァセヴァ、ボヤン・マンチェフ *英語
14:30-15:00 リーディング公演|レオニード・ヨフチェフ、ボヤン・マンチェフ *英語
15:00-15:15 メテオール《土方巽とその分身》(2019)映像上映(部分)
15:15-15:30 休憩
15:30-17:00 ラウンドテーブル|小林康夫(青山学院大学)+國分功一郎(東京工業大学)ほか
メテオール(Metheor)
アニ・ヴァセヴァ(演出家、アーティスト)、レオニード・ヨフチェフ(俳優)、ボヤン・マンチェフ(哲学者、ドラマトゥルク)の3名を中心とするアーティスト・コレクティヴ。これまでブルガリア国内で《フランケンシュタイン》(2012)、《マルドロール》(2015)、《ラヴクラフト》(2016)、《雲》(2017)といった実験的なパフォーマンス作品を発表し、高い評価を受ける。2017年にメテオール叢書を設立し、哲学や舞台芸術に関する英語、ブルガリア語の理論書を多数刊行している。2019年、プロヴディフ(ブルガリア)で《土方巽とその分身》を初演。
ボヤン・マンチェフ(Boyan Manchev)
1970年生まれ。新ブルガリア大学、ベルリン芸術大学教授。ソフィアおよびベルリンを拠点とし、英語、フランス語、ブルガリア語をはじめとする複数の言語で多くの著書、論文を発表している。代表的な著書として、ジョルジュ・バタイユの思想を主要な導きの糸とする『世界の変容──ラディカルな美学のために』(Éditions Lignes, 2009)、ドストエフスキー、アルトー、ブランショらをめぐる批評的論文集『変身と瞬間──生の脱組織化』(La Phocide, 2009)(いずれも仏語)など。UTCP(東京大学)の招聘により、2010年にワークショップ「フランス哲学の地平」、2017年に講演会「光、雲──哲学的海賊とアペイロンの発明」(いずれも仏語)。
メテオール《土方巽とその分身》(Hijikata and his Double, 2019)
土方巽──および、彼と深い関わりのあった三島由紀夫や細江英公──を題材としたソロ・パフォーマンス作品。出演はレオニード・ヨフチェフ、星野太(初演のみ)。メテオールの他の作品と同じくワーク・イン・プログレスの形態をとっており、今回の来日では慶應義塾大学の土方巽アーカイヴの調査、関係者へのインタビューなどを予定している。