2021年1月9日(土)、講演者として中国文学・文化を専門とする王璞氏(米国・ブランダイス大学中国文学文化研究専攻・准教授)を迎え、「遠方において団結する——革命の世紀と中国作家の旅行記」をテーマに、EAA連続ワークショップ「中国近代文学の方法および射程」第一回講演(オンライン)が行われた。
講演では、旅行記の世界文学における特殊な位置を確認した上で、革命の世紀における中国作家の旅行記を通じて、20世紀の中国文学がいかに「異なった人々」、「異なった世界」を求め、ユートピアの場所を生み出し論議を展開したか、さらに「遠方において団結する」文化の政治を生み出したかを分析した。
グローバル化が危機に瀕し、コロナ禍のもと無期限の一時停止ボタンが押されている現在、旅行に何を求めるべきなのか、空間の移動をどう意味付けるのか、私達はいかにして、道の中で果てない遠方と無数の人々と結びついていくのか。文学を通じて、70名を超える参加者とともに歴史と現在について考えさせられる充実した講演となった。
報告:王柳(東京大学人文社会系研究科博士課程)
EAAオンラインワークショップ「感染症――歴史と物語とのはざまで」
第4回 101号館映像制作ワークショップ