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2023.03.30

修了生挨拶 第2期生 森要

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修了生挨拶
(2023年3月22日開催 2022年度「東アジア教養学」修了証授与式に際して)

EAA「東アジア教養学」プログラム第2期生 森要

 

ご出席のみなさま、こんにちは。EAAユース2期生の森要です。このような素晴らしい修了式を開催していただき、誠にありがとうございます。さっそくですが、「EAAと私」というテーマで、スピーチさせていただきます。

私の東大への入学は2019年4月です。そして、EAAが発足したのも2019年。その年から学術フロンティア講義「30年後の世界へ」が開講しました。「東アジア」を冠する東アジア藝文書院が開催する講義に対して、なんとなく東アジアに関心を持って大学へ入学した私が、興味をもったことは、はっきりと覚えています。その興味に誘われ、2019年Sセメスター初日の5限目に学術フロンティア講義に出席したのが、EAAと私の接点の出発点でした。
その学術フロンティア講義は、各回のことを仔細に記憶しているわけではありませんが、刺激的であり、金曜5限という毎週の授業の最後の楽しみでありました。この授業に出席していたことで、2019年9月のSummer Institute 2019 北京「北京遠征」の案内に接し、運良く参加させていただきました。(
その際の報告書では、次のような一節を書き残しています。

「発足して間もないEAA。大学入学後最初の授業日、EAAの学術フロンティア講義のガイダンスが行われた。その教室内に知り合いが1人もいなかったこともあり、講義を履修する必要があるのだろうかと正直なところ疑問に思うこともあったが、今振り返ってみれば、そのようなことを気にせず、講義に出席し続けたことで、得られたものが非常に大きかった。「『東アジアから/で』広い視野でリベラル・アーツを考えるEAAの趣旨」に共感しており、今後も長く関わり続けられればよいと思う。」

このペースで活動を逐一述べていくと時間がいくらあっても足りないので、ここからは端折ります。
それ以降の主な活動を列挙すると、次に述べる通りです。
・2020年Sセメスターの学術フロンティア講義の履修。結局、学術フロンティア講義は4年連続で履修しました。
・2020年Aセメスターの全学自由研究ゼミナール「人文-社会科学のアカデミックフィールドを体験する」()の履修。
・後期課程に進学するタイミングで、EAAユースに参加。そして、後期課程に入ってからは、東アジア教養学のカリキュラムの授業の履修。
・2021年夏には、Summer Institute()への参加。
・水際対策が緩和された今年度2022年度は、留学生のチューターも担当。
・2022年夏には、母校の後輩が参加するイベントの実施。
・年明けには、福島フィールドトリップへの参加。
・このほか、種々様々なイベントへの参加。
以上のような、もりだくさんな4年間でした。当時本当にそうなるとは思っていなかったかもしれませんが、結果的には、2019年夏に思い描いた通り、長きにわたるEAAとの関わりとなりました。

それらの関わりを通じて私が今思うことについて4点、お話しできればと思います。
まず、1点目は、人との交流です。ユース生、教員・スタッフのみなさまと、様々な場面で交流する機会がありました。それに加えて、今年度は北京大学からの留学生と交流する機会も得られたことは、非常に有意義でした。特に、コロナ前の北京遠征で同じグループだった学生と3年ぶりに対面で会えたり、オンライン開催のSummer Instituteで同じグループだった学生と1年越しに対面で会えたり、ということもありました。多様なバックグラウンドをもつEAA構成員とのつながりは、非常に刺激的なものでした。
2点目は、言語についてです。TLPクラス出身ではない中で、この場に立っていることはうれしく思います。しかし、喜べるのはこのくらいで、残りの99%は、自らの言語面での実力不足を痛感する日々です。4月から学問の世界からは離れますが、英語・中国語、場合によってはそのほかの言語で、研鑽を積み続けたいです。
3点目は、毛色が変わって、自分自身の「軸」についてです。2021年3月、1期生の孔さんが修了生挨拶にて、揺れ動くことの大切さに言及されていました。この点に関して、当時の私が自分なりに思ったこととして、揺れ動くことができるのは、軸があるからこそなのではないか、何もないところからは揺れ動くことができないのではないか、ということを思いました。そのような思索をしていた中で、その約半月後の4月にユースガイダンスがあり、EAAでの目標について、軸を見つけること、と述べました。それから2年経ちましたが、残念ながら自分自身の軸を見つけられていません。他方、見方を変えて肯定的に捉えれば、ふわふわ浮遊するのが私の軸と言えるかもしれません。
そして、4点目は、3点目につながりますが、思考する場という観点です。今述べたように、私自身大変怠惰な人間なので、ともすれば、なあなあにしてしまったり、まぁいっか、と思考停止に陥ったりしがちです。しかし、EAAの活動中、自分の頭で真剣に思考する機会が幾度となくあったように思います。問題から逃げずに正面から向き合うことを、今後も忘れず生きていければと思います。

最後になりますが、これまでお世話になったみなさまに改めて心より感謝を申し上げるとともに、このような素晴らしい環境を提供してくださるEAAが益々発展することを祈念して、私の挨拶を締めくくらせていただきます。ありがとうございました。