2022年5月19日(木)18:30より、駒場キャンパス900番教室にて、ひさしぶりに映画『籠城』上映会が行われた。一般向けの学内上映会はこれで5回目である。当日は各方面から40名強にご来場いただいた。上映会後のトークゲストには映像人類学者・映画監督の太田光海氏をお迎えし、『籠城』監督の小手川将氏とのあいだで40分ほどの対談が行われた。「正しく記録しなければならない」という台詞のリフレインから引き出されたベンヤミンの歴史をめぐる記述、さらには太田氏が南米アマゾンでシュアール族のひとたちと暮らすなかで撮影し編集し監督した作品『カナルタ』(詳細はこちら)の制作プロセスにおいて浮上した翻訳不可能性の問題と声の重要性をめぐるやりとりは、映像がテクストとは異なることをまざまざとしめしていたように思う。『籠城』のコノテーションの咀嚼や孕まれる狂気について、さらには残される曖昧さに由縁する読解の方向性の定位のむずかしさなど、話は尽きなかった。当日の詳細記録は後日に別のかたちでこのウェブサイト上に掲載するので楽しみにお待ちいただきたい。
報告・写真:髙山花子(EAA特任助教)
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