この4月から、EAAに潮田総合学芸知イニシアティヴ(The Ushioda Initiative of Arts)が創設された。ほかならぬその支援者である潮田洋一郎氏(EAA名誉フェロー)のために、2022年4月18日(月)17:00より、駒場キャンパス18号館1階メディアラボ2にて、映画『籠城』上映会を行った。
上映前に、アフタートークならぬプレトークとして、制作の背景にある旧制第一高等学校の歴史や、潮田氏ご自身の駒場での教養学部時代の思い出について、語らう時間があった。本作はリベラルアーツとしての映画制作の可能性を問うプロセスとしていまも動きつづけているのだが、興味深いことに、潮田氏によると、1980年代には「教養」という言葉こそあれ、「リベラル・アーツ」という言葉は聞こえなかったという。
上映後、潮田氏からは「わたし」の複数性や、中国人留学生ではなく一高生に作品の主題があった点等が確認された。そのほか参加者の方々からも貴重なコメント、質問を数多く頂戴し、上映会終了後もやりとりがつづいた。
遠からぬうちに海外に届けることを考えているが、先立って、地に足をつけたかたちで、学内上映会で丁寧に見ていただくことの意義を改めて強く感じる時間になった。
報告者:髙山花子(EAA特任助教)
写真撮影:崎濱紗奈(EAA特任助教)
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