2022年12月16日(金)19時より駒場キャンパス101号館11号室にて山室信一氏(京都大学名誉教授)による講演会「空間アジアをいかに捉えるのか—空間思想学その「第三の道」」が開かれた。山室氏は『モダン語の世界へ』、『アジアの思想史脈 空間思想学の試み』をはじめとする数多くの著書をもつ歴史学者である。わたしたちがアジアを考える際、その境界はどこからどこまでとイメージされるのか—講演の冒頭で、山室氏は、世界地図そのものを360度回転させたり90度回転させたりすることによって、わたしたちの空間感覚がどのように変化するのかを体感させてくれた。地図での空間把握、区切り、さらには主権国家による国境線確定といった国民国家形成といかに空間イメージが戦略的に結ばれてきたのか、政治神話というイデオロギーとしてどれほど機能しているのか、具体的な歴史資料を渉猟するかたちで、しめされた。東大側のEAAユース生や、Zoomでは北京大学からの参加者もあり、東アジア研究の碩学の体験にもとづいた言葉が惜しみなく共有される熱気ある時間であった。
報告:髙山花子(EAA特任助教)
【報告】第3回「書院を考える」研究会
【報告】共同研究会「日本の知識人、その宗教と周辺——鶴見俊輔・加藤周一・林達夫」