EAAのリサーチ・アシスタント(RA)に応募する際、応募書類には基本的な個人情報に加えて、「東アジア藝文書院で何を行いたいか」という質問に答える欄がありました。私はその「何」を自主企画の意味として捉え、2回の任期においてそれぞれその可能な企画を考えました。自分が何に関心を持ち、その関心には普遍性があるのか、また、自分はその関心に取り組む能力があるのか。まるで自分の研究テーマを定めるかのように、自問自答していたことを覚えています。普段のイベントに参加する際にも、自分の知識の普遍性が十分ではないため、現場の先生方と深く対話できないのではないかと悩みました。しかし、積極的に考えると、EAAはまさに自分を「悩ませる」最高の場所でした。EAAには哲学に携わる研究者が多く、東京大学の他にも中国大陸や韓国、台湾、香港、さらには欧米から訪問してきた研究者が数多くいました。彼らとの出会いを通じて、普遍的な知識を持ってより根本的な課題に取り組む重要性とその魅力を実感しました。
RAの仕事の一つは、学術フロンティア講義の補助でした。マイクを渡したり、写真を撮ったり、報告を書いたりする軽い業務が求められましたが、本来自分の関心に従うならば出会うことのなかったテーマにも触れることができました。日本の儒道大会からタンザニアの零細商人に至るまで、さまざまな知的な刺激を受け、貴重な経験を重ねることができました。また、EAAの授業ではモデレーターとして履修者のディスカッションを促し、コメントをする機会もありました。東大や北京大学の学生たちと交流し、私の知らなかった若い世代の世界に対する感覚や認識を聞くことができました。また、一緒に山中湖で合宿をし、渋谷の「THE TOKYO TOILET」を巡る旅や豊洲市場訪問を経験するなど、忘れがたい思い出もできました。
最後に、EAAのメンバーに心からお礼を申し上げます。まず、院長の石井剛先生には、常に鋭く的確なコメントをいただき、時には先生の何気ない一言から、自分が長い歳月をかけてようやく辿り着いた結論を再確認し、自分の研究の意義を問い直さなければならない怖さを感じました。その際、先生の各分野に対する深い対応力には心から感服しました。最初にEAAのRA公募についてお話を伺ったのは張政遠先生でした。普段の授業やイベントでお世話になったことはもちろん、香港文学の翻訳ワークショップを企画する際にもサポートしていただきました。すでに離任された具裕珍先生は、常に明るくエネルギーを与えてくださり、最初の自主企画――「女たちの戦争と平和資料館」見学――を実施する際、わざわざ時間を割いて私と会議を重ね、貴重な助言をいただき、見学当日もサポートしてくださいました。その際、非常に心強く感じました。さらに、EAAの授業を担当された王欽先生、髙山花子先生、郭馳洋先輩をはじめ、助教・研究員の方々や渡辺理恵様をはじめとする職員の皆様、RAの皆様にも多大なサポートをいただきました。EAAの先生方をはじめ、皆様に心から感謝申し上げます。

