北京大学では東アジア人文社会経典、湖沼学原理、土壌と地下水、大気科学導論と地震概論を履修しました。履修したかった荘子精読は選択できず、岩土力学は履修登録した学生が少なかったので授業の開講がキャンセルされました。それでも、履修登録ができなくても、座る位置が残る以上、密かに講義を受けることができ、お陰で荘子精読、線形代数と微分積分の授業の一部を聞くことができました。文系の授業は特に異なることは感じませんでしたが、工学の授業の場合、精密の制御と完全の理解と比べて、広範囲かつ多様な環境でも使用可能な理論やモデルの開発が重んじられていることが東京大学との大きな相違点であると感じました。人口の多さ、複雑な環境、多様な(経済などの)発展状態と毛沢東時代に強調された人定勝天の思想が、中国では天候制御や大距離送水といったかなり特殊な課題を差し出し、それによって、工学部の授業は実践を大切にする影響を受けていました。また、東大の授業と比べて、先生が用意するプリントではなく、直接論文を読むことが多く、大量の文字情報から使える情報を取り出す能力もより求められました。
勉強以外の活動としては、人狼ゲーム(ブラッド・オン・ザ・クロックタワー)をする社団に参加しました。週末でも主に夜8時ぐらいから活動が始まり、活動の場所については学生食堂の4階や第四教育棟5階にあるあまり使われない教室がよく使われています。社団活動では数学専門の学生が確率を計算しており、経済学専門の学生がナッシュ均衡で行動を決めていたのが面白かったです。
気温の低さより、東京と比べて空気の湿度が低いと強く感じましたが、寮の地下室2階では壁面緑化を採用している部屋があり、植物の蒸散で空気の湿度が高められ、ちょうどいいレベルにされていました。同じ寮の情報科学専門の学生からこの寮の学生システムのアルゴリズムは全て学生が書いていることが分かり、この部屋の植物を維持する部分が一番難しいではないかと個人的には考えています。学生の休憩室ですが、自習室が全体的に足りないので、よく自習室として利用されます。また、大気科学導論の先生によると、大学内の一部の環境が先生と学生の協力で観察されているそうです。特に未名湖は毎年12月中旬に凍り、スケートができるようになるため、安全であるかどうかを確認し、湖水の温度が毎日測られています。このような各学科の専門知識を校内で活用する行為が北京大学の進歩的なところであると思います。
最後に、特に注目したのは、北京大学の授業の英語化です。社会学の東アジア人文社会経典は全部中国語で行っていますが、理系の授業は約半分が英語で行われていて、英語化がかなり進んでいます。授業中(講義または学生のプレゼンテーション)で話される言語はまだ中国語ですが、教材、参考書、宿題、読む論文のすべてが英語で書かれている授業が多くあります。似た現象は東京大学にも存在していますが、それは主に学科の専門講義に表れており、線形代数のような基本な授業にまでは及んでいません。知識には国境を越えるものですが、工業の規約はやはり国境を越えていません。授業の英語化によって、読める資料は直接的かつ多くなり、視野の拡大にも繋がります。一方、土壌の分類や、大気汚染の評価などを外国の規約から中国の規約へ換算するのに時間がかかることは明らかなデメリットです。
報告者:DU Yangting (EAAユース)