【報告】山中湖フィールドトリップ

2023年12月9日と10日に、EAA「山中湖フィールドトリップ」が実施された。この活動は教室から離れ、自然の中で「イロニーとしての近代と廃墟としての自然」を考える機会を提供することを目的とし企画された。「ロマン派はわれわれの無邪気さである」というジャン=リュク・ナンシーの言葉を背景に、純粋な「自然」や「古典」への回帰が、現代社会においてどれだけ可能であるか、そして資本主義の影響を受けた近代がその可能性にどのように影響を与えているかについて考察してみたいとことであった。

東京大学山中寮は、このテーマを体験するにふさわしい場所であった。東京大学に所属しながらも、なかなか利用する機会がなかったため、今回北京大学・東京大学両校のEAA 学生の合宿はとても貴重な機会であった。参加者らは「富士癒しの森」での散策や郷土料理ほうとう作り体験を通じて、自然と人間、自然と近代、自然と都市・郷土の関係について考える時間を共有することができた。参加者から寄せられた報告書からも自然と向き合う様々な思いが浮かび上がっている。これらの報告書を読んでくださる方々に、冬季に朝早く起きて迎える冷たい一息のような「自然との向き合う瞬間」をお届けできればと願っている。

具裕珍（EAA特任准教授）