経済学者の伊藤元重は著書『大変化』の中で、働くことの変化について、こんな内容を述べている。「―19世紀、仕事のことをlaborと呼んでいた。現在それはworkと呼ばれるようになっている。そしてもうすぐそれはplayと呼ばれるようになるだろう。」
コロナを経て、人と実空間で会うことの重要性を再認識しつつあるなかで、大学に求められるシェアスペースとはどのようなものだろうか。それは、学生と教員が個々のプレイヤーとして気兼ねなくフラットに利用できる広場のような空間なのではないか。そんな思想をもってEAAの新たなシェアスペースはデザインされている。このスペースには、「学ぶ」「働く」「集う」「くつろぐ」などの多様なモードが共存するように、ソファからスタンディングまで複数の高さの家具を離散的に配置するなどの家具的な仕掛けがちりばめられている。プレイヤー同士が適度に距離感を保ちつつも、お互いの交流が促されるような場として利用されることを願っている。
兵郷喬哉(東京大学川添研究室)
【報告】第11回 藝文学研究会
【報告】2023 Sセメスター 第12回学術フロンティア講義