2023年12月8日(金)16時より、101号館EAAセミナー室にて、EAA2023年度第1回RA研究発表会が開かれた。
企画した具裕珍氏(EAA特任准教授)からは、EAAでは新しいリベラルアーツをイメージし、さまざまな学問分野、背景をもった人びとが集まっているが、ユース生のうちでも博士課程生のリサーチ・アシスタントたちはその最前線に立っているのではないかという趣旨から、研究発表を聞く機会を設けたと語られた。
最初の発表者の邱政芃氏(総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程)は、「「転向」を展示する――転向文学論と武田麟太郎の戦時下小説」と題し、1930年代から1940年代の新聞小説を再読することで、じつは都市の転向者を描いている武田麟太郎像を提示した。
二人目の発表者である李佳氏(総合文化研究科超域文化科学専攻博士課程)は、「アートと共に生きる人々―ポスト社会主義中国における芸術実践の人類学的研究」と題し、広州で行っているフィールドワークの結果にもとづいて、上海や北京とは異なる、日常生活でのアートシーンの形成について紹介をした。
最後の発表者である林子微氏(人文社会系研究科アジア文化研究専攻博士課程)は、「東晋における納后礼の形成」と題し、誰が皇帝の皇后となるのか、婚礼のしきたりが生まれるようになった背景を千年以上前の資料にもとづき整理した。
コメンテイターのEAA院長石井剛氏(総合文化研究科)からは、それぞれにたいして、おもに外部の批評の有無や種類、東アジアの現代史との接続について、質問とコメントがなされた。
年度内に第2回が企画されているので、楽しみに待ちたい。
報告・写真:髙山花子(EAA特任助教)
【報告】「对近20 年来中国现当代文学研究的反思」
【報告】第15回 藝文学研究会