2019年3月21日(木)北京大学臨湖軒において北京大学と東京大学のジョイントプログラムである東アジア藝文書院の開設セレモニーが開催された。北京大学側からは北京大学副学長の王博氏をはじめ学術委員会の教授たち(張旭東、楊立華、章永楽、蔣洪生、欧陽哲生、李猛)と研究員(王欽)、国際協力関係の教授たちが、東京大学側からは東京大学副学長・東アジア藝文書院院長の羽田正氏をはじめ書院の教授と研究員たち(中島隆博、石井剛、八幡さくら、宇野瑞木、趙 斉、張瀛子、立石はな、伊野恭子)が参加した。
まず、北京大学側から張旭東氏が東アジア藝文書院名を石に刻んだ印章を披露した。中国の芸術家の手により意匠を凝らせて造られたものであることが説明された。
次に、石井剛氏が東アジア藝文書院のロゴを紹介した。書物の魚尾に着想を得て表現された形に、火と水と土を融合させ、新たな学問を生み出す場としての書院という意味がロゴに込められていることを、石井氏は説明した。
王氏から歓迎の挨拶が行われ、北京大学が本プログラムに寄せる期待と東京大学との学術交流に対して歓迎の意が述べられた。それを受けて羽田氏がプログラム設立の経緯と新しいリベラル・アーツを創造するという本書院の目的と今後の展望を説明した(※このセレモニーでの羽田氏の挨拶文については別途掲載)。その後、王氏と羽田氏の間で調印式が行われた。
会議は終始和やかな雰囲気で進み、東アジアから発信する新たなリベラル・アーツへの期待と意気込みが参加者の間で共有された。
セレモニーに引き続き、教員間で学術委員会実務会談が行われ、北京大学側のカリキュラムや教員・学生相互交流に関する進捗状況が報告された。東京大学側からも春学期の「学術フロンティア講義」やリサーチユニット設立の説明が行われ、互いに着実な準備を進めていることを確認した。
昼食時に北京大学副学長・田剛氏と羽田氏を中心に学術委員会メンバーで会談を行い、今後の北京大学と東京大学との交流を進めていくことを約束した。
午後からも引き続き、学術委員会実務会議を行い、北京大学から東京大学への受け入れ学生や、カリキュラム、秋学期からの授業テーマやその運営方法について話し合いが行われた。北京大学と東京大学において中国と日本の学生の授業に対する意識や関心を踏まえたカリキュラム作りと、各々の言語能力を踏まえた授業運営が必要不可欠であるという共通の認識を確認した。その上で、学生達が将来的に世界へ研究成果を発信するために、英語を中心とした多言語での研究を目指すことに同意した。会議後、中国文学の教授たちと会談を行い、北京大学での会議の一日目を終えた。
文責:八幡さくら(EAA特任助教)