東京大学東アジア藝文書院
East Asian Academy for New Liberal Arts, the University of Tokyo (EAA)
東アジア藝文書院は、東京大学と北京大学が共同で運営するジョイント研究・教育プログラムで、アジアの共通の未来を担う人材の育成を目指すものです。そのための学問的な基礎として、わたしたちは新たに「リベラル・アーツとしての東アジア学」を構築していきます。わたしたちが考える新しい東アジア学とは、単なる東アジアの地域研究ではありません。より相互的で関与的な研究として、日本と中国の双方が自らを批判的に相対化する視点を持ちながら、地域概念としての東アジアを超えて、アジア、オセアニア、そしてヨーロッパ、アメリカ、さらにはアフリカとの交通を重視した研究であるべきだと考えています。それは「地域研究2.0」とも言えるもので、世界における東アジアとともに、東アジアにおける世界を問う新しいリベラル・アーツとしての学問です。
わたしたちは、「リベラル・アーツとしての東アジア学」の理念を「藝文書院」という名称に託しました。『漢書』藝文志という東アジア最古の目録であり学問のジャンルを構想した書物にちなむと同時に、教員と学生がともに学人として思考し実践していく共同体としての理想が「書院」の名に込められています。この場所から、東京大学と北京大学の学問資源を最大限活用し、まったく新しい研究教育のプラットフォームを築き、今後の世界における大学の新しいあり方を示したい。これがわたしたちの願いです。